ここまの心




2月3日


やっぱり豆まきでしょ、今日は。
わが金原亭一門は、毎年芝・増上寺にて豆まきィ―――――の司会。
そうなんです、”豆まきの芸能人”じゃなくて、”司会”

今年は雨でしたねぇ。
「紋付き、濡らしたくないなぁ・・・」と思ってたら、本堂の中でやることに。

さすがは増上寺、毎年大勢の参拝客でにぎわいますよ〜。
”豆まき芸能人”もいろんな方が参加してまする。
でも、売れっ子アイドルの姿がないのはどういうことだ?
モー娘。とか来ないのかよ。豊川稲荷(だったっけ?)はジャニーズが来てるってのに。
ちなみにあちらは林家一門が盛り上げております。

今年も、馬生師のエロトークが炸裂! あ〜、神聖なお寺だってのに・・・


夜には我が兄弟子、金原亭馬遊の独演会。(お江戸日本橋亭にて)
聞いたら、なんと6年振りだとか。
当人は「本当はやりたくなかったんだけどな。」と、つれない言葉だけど、
真打に昇進して絶好のタイミングですよねぇ!
「兄さん、自分で会をやらなきゃダメだよ」って喬太郎兄さんや扇辰兄が突っついてくれたらしい。
ホント、ありがたいことです。

「やりたくなかった」わりには、渾身の三席。
「黄金の大黒」、「大工調べ」、「子別れ」。
うわ〜、へヴィ〜!
オイラは間に挟まって、軽〜く「ざるや」を。

兄さん、キラキラ光ってましたよ!  よいしょっと。



2月7日


久し振りにラジオの深夜番組を聞いた。
中学、高校のころはあれほど熱中してたのに、いつの間にか
BGM代わりにFMをかけるくらいになっちゃって・・・

まァ、それはいいとして。
何だか、セコいんだよ。内容も、コーナーも。
作家がサボりすぎなのかな。

で、スポンサーが付かないのかなぁ。
CMも他の番組の紹介ばっかり。
不況だからなのか、それとも今の中高生はラジオを聞かないのか。

どうやって成り立ってるんだろう・・・。
え?そんなことより、テメエのほうを心配しろ?
ごもっとも様。



2月11日


浅草演芸ホール・昼席
『初代金原亭馬の助二十七回忌追善興行』と銘打って、ちょっとした特別興行がスタート。
仲入り後には座談会なんかも行なって、いい企画じゃないすかね。

後半の顔ぶれがすごい。
仲入り  座談会  馬好  小朝  こぶ平  小円歌  馬の助
特に馬好師匠。めったに見られません。 いいのか、こんなこと書いて。
浅草らしい顔ぶれで寄席マニアにはたまらんのぅ!

ワタクシメも早い時間に出演しておりまする。
ぜひ、見に行かなくっちゃね!


*この文章を4月に入ってからUPしたって意味がないじゃん!
  まことにすまんのぉ・・・



2月12日


浅草2日目。

先代の馬の助師匠って方は、大変にお酒が好きだったそう。
そんなこともあって、楽屋には菊正宗の一升瓶と但馬屋の塩豆が用意されている。

もっとも昼席のことなんで、そう呑む人も多くはない。

ところが入ってたんだ、呑んだくれジジイが。
そう、川○川柳

そんなことは前もって分かってます。
主任の当代馬の助師匠は呑ンダクレ用に、別に五合の酒を用意して
「アニさん、これ持ってってよ」と細やかな気遣い。

ところがこのジジイは渡された五合瓶をカバンにしまって、
テーブルの上の一升瓶をおもむろに開けたのだった。

「あちゃ〜・・・」
まさか、これはダメです!とも云えず楽屋一同、湯呑みに注がれた冷酒をじっと見守るばかり。


・・・いや、いい方なんですよ。呑んでなけりゃ。ケチですけど。
一応、フォローしといて。


先代の思い出を披露して下さりながら、グイグイとあおっていく。
かなりのハイペース。
この調子なら、いい記録が期待できそう。

おぉ、ものすごい勢いだ。酒のほうから口ン中へ飛び込んでいくよ。

ロレツが怪しくなってきた。
目付きが変わってきた。
同じことを繰り返し始めた。

おぉ、まだ仲入り前だというのに、ほぼ一升空けちまったぃ!

「パパパパ〜〜〜〜、ププパパァァァ〜〜〜〜」

スタート!! ○柳、高回転!!
入ってきた小朝師匠、からまれて立ちヒザのまま動けず!
おぉっと!○野栄一先生、途中参加だ!
呑んだくれと対等に渡り合ってる!これはスゴイ!
ついに楽屋の扉が閉められた!
これは一旦中に入ったらハネるまで出られない合図だ!
小円歌師が楽屋入り!―と思ったら危険を察知して180度回転!
なんと賢明な判断だ!


盛り上がる高座と、死闘を繰り広げる舞台裏・・・
楽し過ぎて悶絶しそうだったよん。


昼席がハネる。
ついに楽屋の扉が開かれた!
皆、このときを待っていたのだ!
我先にと靴を履くのももどかしく飛び出してゆく寄席芸人たち!
また馬生師の足の早いこと!

あっという間に楽屋は呑んだくれだけが取り残されて・・・と思ったら、小野栄○先生がいるではないか?!
これはすごい対決になりそうだ!


・・・・・ということろで、馬の助師匠に誘われてオイラはそばを食いに出てしまったのでした。


あまりにも気になって仕方のなかったオイラは夜席の前座に聞き込みをしてみた。
そして、さらにすごいことが判明した!
川柳川○師と小野○一先生、お二人で呑みに出て行ったらしい。
1時間後、呑んだくれが楽屋に戻ってくる。
が、圓蔵師匠に「お帰りよ!」と冷たくあしらわれ、タクシーに乗せられて行ってしまったそうな。
生死の程は、未だ不明・・・



2月13日


やっぱり話題に事欠かない、川柳○柳師。

昨日、タクシーに詰め込まれたところまでは判明していた。
その後の足取りが掴めましたので、お知らせ致します。


気の利く前座がタクシーの運転手に「雑司が谷」と告げてくれたらしく、町内まで戻ってこられたらしい。
ところが、ジジイはもう廃人同様。
自宅付近に着いたところで、タクシーからグズグズの物体として転がり落ちたそう。
もう動けないんだ。
そのまま毛布にくるまれて、自宅に運ばれたとか・・・。

「それじゃ死体だよ!」とは楽屋の評判。
その通り!



2月16日


PM7:15、ケータイに志ん太兄さんからcall。

「小駒さぁ、ヨイショできる?」
は?何すかァ?

――聞くと、これからオダンにご馳走になるが一緒にどうだい?とのお誘い。

”オダン”
なんと魅惑的な言葉なんだ。
字にすると、「お旦」だな。
つまり旦那、パトロン、スポンサー、ご贔屓、角界で云えばタニマチ。

常に芸人を応援してくれて、事あるごとにご祝儀を包んでくれて、ご馳走してくれて、
その帰りには車代までさりげなく渡して下さるという・・・、足長おじさんのような(ちょっと違うか?)粋なお方。
そんなオダンを取り巻いてご馳走になろうという――。

「アニさん!オレ、ヨイショ得意っす!もうヨイショだったら任せてよ。もう全身これヨイショ!」
ってなことを云って待ち合わせの上野へ向かう。

ドイツの美味いもんを食わせてくれる「ホッペルポッペル」。
ここの3階にオダンと志ん太兄さんが待っているのだ。
階段を昇る足取りも軽いかるい。

「ど〜も!お待たせしました!こちらですか、若手芸人を育てようって会場は。
あれ?イロオトコの集会かな?」

入っていくと、志ん太兄さんが「こちらが本日のオダンです!」と紹介してくれ・・・・・
え?
あの〜〜〜、オダンって・・・、金八兄さんのこと?

「オイ、また増えちゃったよ〜。しょうがねえなぁ」、笑いながら金八オダン。
見ると、太神楽の仙一兄さんまで揃ってる。
ナルホドね。そういうことか。
われらが大将、金八兄が貧乏二ッ目にご馳走をしてくれようという――
「しょうがねえなぁ・・・。分かったよ、お前達のためにオレは頑張って稼ぐよ!
おぉ!なんと頼もしいお言葉!
いいヒトです、ホント。


この前は、しゃぶしゃぶをご馳走したんだって!
さすが!

真打昇進を間近に控え、何かと忙しい金八兄さん。
我々はそんな兄さんを応援してます!
披露目のときにも、ぜひご馳走してください!(またかよ!)

*金八兄さんのHPはこちらから*





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